アサーティブコミュニケーションとは?

アサーティブコミュニケーションとは
アサーティブコミュニケーションとは、**「相手を尊重しながら、自分の意見を率直かつ適切に表現すること」**です。
1960年代アメリカでの人種差別・男女差別撤廃運動の中で広まり、「誰もが自分の能力を発揮してよい」という考え方を基盤にしています。
この姿勢は、ただ自己主張するのではなく、自他ともに尊重される“WIN-WIN”の関係性を築くことを目指しています。職場や家庭など、立場や考えが異なる人と協力し合うための「質の高いコミュニケーション」と言えます。
私も講座などを受け企業などの研修に携わったことがありますが、相手を尊重しながら、自分の意見を率直かつ適切に表現すること」の大切さをとても感じられました。
なぜ今アサーティブが必要なのか
現代は「多様化」の時代。年齢・文化・価値観が異なる人たちと関わる場面が増えています。
- 高齢化社会やITの進歩で常識が多様化
- グローバル化により外国人と働く・交流する機会が増加
- 職場ではハラスメント防止や多様な人材活用が求められる
こうした状況では、「自分の常識=相手の常識」ではありません。だからこそ、お互いの立場や考えを率直に伝え合う力=アサーティブさが不可欠なのです。
4つの自己表現タイプ
人の自己表現には4つのタイプがあるといわれます。
- 攻撃的タイプ(おこりキャラ)
自分を優先し、相手を配慮せず見下す傾向がある。 - 受身的タイプ(ひるみキャラ)
相手を気にしすぎて自分の意見を伝えられない。ストレスが溜まりやすい。 - 作為的タイプ(いやみキャラ)
遠回しに不満を表現。相手を操作しようとする。 - アサーティブタイプ(さわやかキャラ)
自分も相手も尊重し、率直で建設的な表現ができる。
この中で目指したいのはもちろん「アサーティブタイプ」です。
アサーティブに表現するための技法
アサーティブな表現には、ちょっとした工夫が役立ちます。
- 感情を言葉にする練習
例:「今の言葉に少し傷ついた」「その対応にがっかりした」
→ 感情に流されず、冷静に表現することが大切です。 - 自分をほめる練習
小さなことでも自分を認める習慣をつけることで、自己肯定感が育ちます。 - 相手をほめる練習
良いところを見つけて素直に伝えることで、関係性がより良くなります。
ケーススタディ:実際の場面では?
たとえば「同僚に仕事を手伝ってもらいたいけれど忙しそう」という状況。
- 攻撃的タイプ:「忙しいのは分かるけど、これ手伝って!」
- 受身的タイプ:何も言えず、自分一人で抱え込む
- 作為的タイプ:「あ~終わらないなぁ」といやみっぽく言う
- アサーティブタイプ:「お疲れさまです。今お忙しそうですが、この件でお手伝いいただけると助かります。いつ頃ならお時間いただけそうでしょうか?」
→ 相手の状況を配慮しながら、具体的に依頼できるのがアサーティブです。
心の柱となる基本姿勢
大事なのは「どんな心で相手に向き合っているか」。
言葉遣いや態度が丁寧でも、心の中で相手を見下していれば必ず伝わります。
アサーティブコミュニケーションの核心は、相手への真の敬意と、自分への健全な自信のバランスです。
~自分も相手も大切にする新しい人間関係の形~
まとめと実践に向けて
アサーティブコミュニケーションは、単なる話し方のテクニックではありません。
それは、**「自分らしさを大切にしながら、相手も尊重する生き方」**そのものです。
- 自分の意見を伝えることで、自己肯定感が高まる
- 相手を尊重することで、信頼関係が深まる
- その結果、職場も家庭もより居心地の良い場所になる
最初から上手にできなくても大丈夫。日常の小さなやりとりの中で、少しずつ実践してみましょう。失敗も成長のチャンスです。
自分らしく、そして相手も大切にする。
そんな関わり方を少しずつ積み重ねることが、あなたの人生や仕事をもっと豊かにしてくれるはずです。

この記事へのコメントはありません。