漢方で整える心と体(シリーズ1)

LIFE
はじめに
肩こり、冷え性、不眠、胃もたれ、更年期障害…。
多くの人が抱える日常的な不調に、漢方は「体質から整える」というユニークな視点でアプローチしてくれます。
今回は、お悩みランキングからシリーズ化して代表的な症状ごとにおすすめの漢方処方(ツムラ品番つき)、セルフケアに役立つツボや生活習慣をまとめました。
【①】肩こり・頭痛・眼精疲労に効く漢方
肩こりや頭痛の原因を漢方でどう捉える?
デスクワークやスマホの使いすぎで起こる肩こりや頭痛。漢方では「気や血の巡りが滞っている」ことが原因と考えられます。血流を良くし、筋肉の緊張を和らげることが大切です。
おすすめの漢方処方
- 葛根湯(ツムラ1番):首や肩のこわばりに代表的。風邪の初期にも使われます。
- 釣藤散(ツムラ47番):慢性的な頭痛や高血圧傾向のある方に。
ツボでセルフケア
- 合谷:手の甲、親指と人差し指の間。万能のツボ。
- 風池:首の後ろ、髪の生え際にあるくぼみ。頭の重さを和らげます。
習慣の見直し
- 1時間に一度は休憩し、肩や首を回す
- 目を閉じて深呼吸を取り入れる
- お風呂で首・肩を温める
まとめ
肩こりや頭痛は「放置しやすいけれど慢性化しやすい症状」。葛根湯や釣藤散とあわせて生活習慣を見直すことで、軽やかな体を取り戻しましょう。
【②】不眠・イライラに効く漢方
不眠・イライラを漢方でどう考える?
眠れない、心が落ち着かない…。漢方では「心身のバランスの乱れ」「気の巡りの停滞」が関係していると考えます。
おすすめの漢方処方
- 抑肝散(ツムラ54番):神経の高ぶりや不安を鎮める
- 加味逍遙散(ツムラ24番):ストレスによる不眠やイライラに
ツボでセルフケア
- 内関:手首のしわから指3本下、心を落ち着けるツボ
- 神門:手首の小指側、安眠を助けるツボ
習慣の見直し
- 寝る前のスマホやPCは控える
- ハーブティーや入浴で副交感神経を優位に
- 睡眠リズムを一定に保つ
まとめ
不眠やイライラは心身のSOSサイン。漢方とセルフケアで「眠れる夜」を取り戻しましょう。
【③】肌荒れ・アトピー性皮膚炎に効く漢方
肌荒れを漢方でどう考える?
肌の不調は「体内の乱れの現れ」。胃腸の働きや血流、ストレスが大きく関わります。
おすすめの漢方処方
- 十味敗毒湯(ツムラ7番):吹き出物や皮膚炎に
- 消風散(ツムラ19番):かゆみや湿疹に
ツボでセルフケア
- 曲池:肘の外側、炎症やかゆみに効果
- 足三里:胃腸機能を整え、肌の基盤を作る
習慣の見直し
- 腸内環境を整える食生活(発酵食品・野菜)
- 睡眠の質を上げてターンオーバーを促す
- ストレスを溜め込まない工夫を
まとめ
「肌は内臓の鏡」。漢方で体の内側から整えることで、自然と肌も健やかに。
漢方は「症状を抑える」だけでなく「体質そのものを整える」ことを大切にしています。
同じ不調でも人によって合う処方が異なるため、自己判断ではなく薬剤師や漢方外来に相談するのがおすすめです。

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