夏の名残と秋のはじまり―9月後半の星空で物語を感じてみよう

LIFE
9月後半の夜空に広がるドラマ
9月後半、夜が深まるにつれて夏と秋の星座が同時に見られます。少し西に傾いた「夏の大三角」(こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ)は、季節の名残を感じさせながらも、秋の星座「ペガスス座」「アンドロメダ座」などが東の空高く昇ってきます。「天の川」も西の空にうっすらとアーチを描く姿が印象的です。
夏の大三角と秋の四辺形


「夏の大三角」は多くの人にとって特別な思い出や憧れの象徴。秋になると、「ペガスス座」の四つの明るい星がつくる「秋の四辺形」が現れます。その中のひとつの星は「アンドロメダ座」とつながっており、神話の世界へと続く入り口とも言えます。「星座を探しながら、空を眺めて物語を思い浮かべる」。そんな静かなひとときが、秋の夜には似合います。
秋の星座たちの神話とメッセージ
この時季は「みずがめ座」「やぎ座」「うお座」「みなみのうお座」などの落ち着いた星座たちが輝きます。それぞれの星座にはギリシャ神話や伝説が込められています。
たとえば「やぎ座」は、宴会の最中に怪獣から逃げるため“ヤギ”と“魚”両方に変身した神・パーンの姿。「みずがめ座」は美少年ガニメデスが天に召し上げられ、“神々への酒”を注ぐ役目を与えられたと言われています。「みなみのうお座」のフォーマルハウトは「秋のひとつ星」と呼ばれ、アラビア語で“魚の口”の意味。南の空で一層の存在感を放ちます。
星空に寄せて、いま願いたいこと
台風が過ぎたあとの清んだ夜、空にはいつもよりたくさんの星が見つけられます。古くから人々は、そんな星空に願いを託してきました。秋は空気が澄んで星がきれいに見える季節。「今夜はどんな思いを星に重ねますか?」そんな問いかけで記事を締めくくれば、読者も静かに夜空を見上げたくなることでしょう。
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