20代・初めての転職成功ロードマップ

キャリア支援

先日、知人から「地元を離れて企業に就職したものの、今、初めての転職を考えて仕事を探している友達がいる」という話を聞きました。

新卒で入った会社で数年間働いた経験は、かけがえのない財産です。その経験があったからこそ、「本当にやりたいこと」「譲れない働き方」が見えてきたはず。

企業での経験を持つ20代の転職活動は、新卒の時とは進め方が違います。今回は、キャリアコンサルタントとして、その経験を最大限に活かすための自己分析と企業選びの具体的なコツをお伝えします。


新卒の時は「なんとなく好き」「やってみたい」が軸になりがちでした。しかし、あなたは実際に働いた経験を持っています。この経験こそが、強力な自己分析の武器になります。

ただ「営業をしていました」で終わらせず、あなたの感情行動を因数分解しましょう。

項目質問見えてくるもの
ベスト体験 (My Best)「最高にやりがいを感じた瞬間」はいつ? そのとき、具体的にどんなスキルを使っていた?あなたの「強み(Can)」「モチベーション源(Will)」
ワースト体験 (My Worst)「一番つらかった/辞めたいと思った瞬間」は何が原因だった? 誰のせいでなく、何が自分に合わなかった?あなたの「譲れない価値観(Must)」「弱み」

転職理由の多くは「給与」「人間関係」「労働環境の不満」です。これらを正直に書き出したら、必ず「じゃあ、次はどうしたいか?」という前向きな軸に変換してください。

  • (例:残業が多いのが嫌だった)→ 軸:「生産性が高く、効率的な働き方を推奨する環境で専門性を深めたい
  • (例:給与が低かった)→ 軸:「成果を正当に評価され、成長によって給与アップが見込める環境」

上司や同僚から、業務中に言われたフィードバック評価を思い出しましょう。自分では当たり前だと思っていたことが、実はあなたの客観的な強みです。

  • 「〇〇さんのおかげでスムーズに進んだよ」と言われたのは、「調整力」「先回り力」かもしれません。
  • 「〇〇さんの資料は分かりやすい」と言われたら、それは「構造化思考」「可視化スキル」です。

自己分析で「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(譲れない条件)」が明確になったら、それを企業選びの強力なフィルターとして使いましょう。

企業選びの軸は、すべて満たすのは難しいです。まずは以下の3つの項目で、「最も譲れないこと(A)」「できれば叶えたいこと(B)」「妥協できること(C)」に優先順位をつけましょう。

  1. 仕事内容(Will/Can):どんなスキルを伸ばしたいか、どんな業務に携わりたいか
  2. 企業風土/成長環境(Will/Can):社員育成制度の有無、裁量の大きさ、働く人のタイプ
  3. 労働条件(Must):給与、休日、勤務地(U・Iターンなど)、リモートワークの有無

新卒時のような企業HPの美しい言葉だけでなく、「リアルな内情」を調べましょう。

  • 口コミサイトの活用:複数のサイトを見て、共通して書かれている「組織体制」や「社員の雰囲気」をチェックする。
  • OB/OG訪問(転職エージェント経由など):「入社前後のギャップ」や「個人の目標設定の方法」など、現場のリアルを聞く質問を用意する。

採用担当者が最も気にするのは、「なぜ前職を辞めるのか?」です。前職への不満をそのまま伝えるのはNGです。

NG例:「給料が安いので辞めました」

→ 採用側:「また不満が出たら辞めるのでは?」と不安になる。

OK例:「前職では〇〇という成果を出しましたが、給与テーブルが年功序列型で、成果を出すことに対する正当な評価や報酬を得ることが難しく、キャリアアップに限界を感じました。貴社では実力主義の評価制度があり、〇〇のスキルを活かして〇年後にリーダーとして貢献することで、企業と自身の成長を実現したいと考えております」


他の人がどうしているか、すべてを完璧にする必要はありません。大切なのは、あなたが本当に望む働き方を見つけ、それに向かって論理的に、そして前向きに行動することです。

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