人生の転機は“終わり”から始まる?
変化はいつも突然やってくる
仕事を辞める、転職を考える、家族の変化が起きる…
人生には、予期せぬ「転機」が訪れることがあります。
その瞬間、
「次、どうしていけばいいんだろう…?」
と不安や迷いを感じるのは、とても自然なこと。
そんな人生の変化を理解し、前に進むためのヒントをくれるのが
ウィリアム・ブリッジズが提唱した“トランジション理論” です。
これは、前回ブログで紹介した「クランボルツの偶発性理論」と同じく、
“人生の転機”を前向きに捉えるための大切な理論のひとつです。
トランジション理論とは?|変化の裏側にある“心のプロセス”を見る
ブリッジズは、人生の変化をただの出来事として捉えるのではなく、
その裏側で起きている “心理的な変化のプロセス” に注目しました。
彼は人生の転機を、次の3つの段階に分けて説明しています。
① Ending — 終わりの段階|何かが終わり、手放すとき
変化はいつも“終わり”から始まります。
例えば…
- 仕事を辞めた
- 子育てが一段落した
- 役割が変わった
- 長年の習慣や人間関係が変わった
こうした「終わり」は、嬉しいことよりも、寂しさ・不安・喪失感が伴うことが多いもの。
でもブリッジズは言います。
「終わりは悪いことではない。新しい始まりのための準備である。」
終わりをしっかり認識し、手放すことで、次のステップへと向かう準備ができます。
② Neutral Zone — ニュートラルの段階|空白期・休息期・揺らぎの時間
終わりを迎えると、多くの人が迷いや不安を感じる“空白期”に入ります。
これがトランジションの真ん中にある 「ニュートラルゾーン」。
ここは…
- ぼんやりしてしまう
- 何をしたいかわからない
- 焦る気持ちがある
- ゆっくり休みたくなる
- 方向性を探している
といった、心が揺れ動く時期。
しかし、実はこの期間こそが、次のスタートに欠かせない大切な時間です。
例えるなら、土に水を吸収させるような時期。
急がず焦らず、“心の休息”を許してあげましょう。
③ New Beginning — 始まりの段階|新しい自分が動き出すとき
ニュートラルな空白期を経て、少しずつ「次へ進みたい」という気持ちが生まれます。
- 新しい仕事を始める
- 生き方の方向性が見え始める
- 新しい人間関係ができる
- 好きなことに挑戦したくなる
こうした前向きなエネルギーが、自然と湧き出てくる段階。
“始まり”は決して急に現れるのではなく、ゆっくりと訪れます。
実際、ブリッジズはこう言っています。
「人生は終わりと始まりの連続である。」
この始まりは、あなた自身が経験し、乗り越えてきたことから生まれていくのです。
トランジション理論で人生を振り返る
ここで少し、ご自身の人生を振り返ってみませんか?
- 最近、何か「終わり」を迎えた出来事はありますか?
- 今はもしかすると“ニュートラルな空白期”にいるかもしれません。
- あなたの中に、「そろそろ始めたい」と思う気持ちは芽生えていますか?
人生の変化には波があり、
その波に寄り添うように心もゆっくり変化しています。
迷い・焦り・不安があっても大丈夫。
それは“次のステージへ行くサイン”なのです。
キャリア支援におけるトランジション理論の活用
キャリア相談でも、この理論はとても役立ちます。
- 「転職したいけどモヤモヤする」
- 「辞めた後が不安」
- 「ブランク期間が怖い」
そんな相談の背景には、この3段階のどこかにいる心理があります。
それを一緒に整理するだけで、気持ちが軽くなり方針が見えてきます。
特に、
✔︎ 終わりをどう受け止めるか
✔︎ ニュートラルな時期をどう過ごすか
✔︎ 始まりの兆しをどう育てるか
これらを一緒に整理することで、安心して前に進めるようになるのです。
あなたの人生にも必ず“穏やかな始まり”が来る
変化の時期は、心がざわつくものです。
でもそのざわつきは、
「あなたの人生が次のステージへ進もうとしているサイン」。
トランジション理論を知ることで、
人生の転機を怖がるのではなく、
“自然な心の流れ”としてやさしく理解できるようになります。
どうか、今のあなたの場所を大切にしてください。
終わり・空白・始まりがあるからこそ、
人生は豊かに変化していきます。

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